画像診断
Last updated 2006年12月3日
”治療に結びつかない診断には意味がない。 自戒を込めて。
治療を知らない診断医は医師ではない。”
目次
がんの診断は、症状、体液の検査、触診、血液検査(腫瘍マーカー)、内視鏡、画像診断によります。がんは、塊を作ることが多く、体の奥に異常があり、また体のあちこちに転移をするのが特徴なので、画像診断はがんの診断において、必須の検査となっています。画像診断を担当しているのは、放射線科医です。内科や外科などと協力して、患者さんの診断をしています。放射線科医には、放射線治療を専門とする医師もいます。
ところで、画像診断とはなんでしょうか。簡単に言えば、人間の体内の状態を絵として表現し、病気を診断する方法です。精神病や糖尿病や高血圧などは、機能的な病気なので、特別な場合以外は、画像診断の対象となりにくいです。がんや炎症、出血、血管の病気などが画像診断の主な対象となります。病気が”かたまり”として出現するがんの場合には、最適かつ絶対に必要な検査方法です。がんの塊が、どこにどの程度の大きさで存在し、他の臓器とどういう位置関係にあって、どこまで広がっているか、活動度はどうなのか、といったことを診断することが、がんの画像診断です。
私は放射線科医です。しかし、正確には画像診断医です。なぜかというと、放射線を使わない検査が増加しているからです。現在の放射線科の診断部門が用いている診断機器は、MRI, CT, 超音波検査、バリウム造影、血管造影と多岐に渡ります。このうち、MRI と超音波検査は、放射線を使わない検査法です。
なお、画像診断医も治療を直接行うことがあります。それは、IVRの分野です。IVRは、日本語の訳がないのですが、Interventional Radiologyの略で、”画像診断の方法を用いて治療を行う”という定義になっています。具体的には、血管内にカテーテル(細い管)を入れて、抗がん剤の注入を行ったり、腫瘍血管の血行を遮断したりします。
画像診断については概略おわかりになったことと思います。放射線科医(画像診断医)の役割はなんでしょうか。これが実はあいまいなのです。現在でも、内科や外科の仕事とオーバーラップしている病院が少なくありません。
私は次のことが放射線科医(画像診断医)の役割と考えています。
■ 得られた画像を元に、疾患や状態の診断を行う。
他に必要な検査や今後の検査について担当医に助言をする。
■ 適正な検査をして、診断に必要な画像を作る。
■ 血管撮影技術の専門家として、IVRを行う。
以上、3項目が放射線科医の役割と思われます。病院によっては、画像作成は技師さんまかせになっているところもあります。診断は、外科医や内科医が自分で行っている病院も少なくありません。IVRは、放射線科医師全員が得意としているわけではないので、放射線科の仕事の中でも特殊な分野です。少し前までは、画像診断医の必要性が理解されず、内科医や外科医が自分ですべてを行っていることが少なくなかったのです。優秀な技師がいれば、おまかせでもきれいな絵が得られたという状況もあります。しかし、最近は、画像診断は専門家にまかせるべきだ、と考える医師が増加してきたので、放射線科に回ってくる仕事が増加してきています。診断ミスの裁判が増加してきたので、自己満足的に画像診断をすることの恐ろしさが身にしみてきたものと思われます。
時々、別の科の医師から、”画像診断なんて誰でもできるよね”と言われることがあります。この言葉はいろんな意味を含んでいます。その最大の意味は、 ”画像診断医の提供している画像は、勉強している医師であれば、画像診断医でなくても読める画像である。” ということです。これが実は非常に大事なのです。わかりにくい画像からパズルを解くように診断するのが画像診断医の仕事ではありません。診断するために、何が必要な検査なのか判断し、適正な画像を作るのが最大の仕事なのです。”絵をもって疾患を語らしむ” というわけです。診断の仕事は、画像が作られた段階で、ほとんど勝負が決まっています。画像診断医が医師でなくてはならないのは、主訴や病歴から、適正な検査法を判断する必要があるからです。この部分は、技師ではできないのです。診断画像ができあがってからは、知識と経験がものを言うわけですが、絵(画像)が悪かったり、足りなければ、知識があろうが、経験を積んでいようが、どうにもなりません。要するに、診断の仕事は、検査を始める前からなのです。このあたりが、なかなか理解されないので、画像診断医の地位はなかなかあがらないのです。画像診断医の中にも、こういうことがわかっていない方がたまにいるのは困ったことだと思っています。画像診断医は検査医ではありませんし、パズル解きが仕事でもありません。地味に見えても、こつこつやっていくしかないと考えています。
画像診断とは、要するに、体内の状態を絵にして診断する方法です。 検索するためには、体をなんらかの形で透過する必要があります。それが電磁波(X線、ガンマ線含む)、磁気、超音波なのです。 現時点で、がんの大きさや性質、広がっている範囲をもっとも精度よく知る方法は、MRIとCTです。しかし、しかし、MRIとCTだけではがんの状態はわかりません。なぜなら、がんは全身の病気だからです。検査にはそれぞれ利点と弱点があり、いろいろな検査を組み合わせて診断を行います。全身の骨の転移には、アイソトープ検査が最適です。また、肝臓のがんに関しては、CT検査と超音波検査の組み合わせがもっとも有力とされています。肺のがんに関しては、CT検査がもっとも有力です。MRI検査は、もっとも解像度が良好な検査ができるのですが、検査できる範囲が短く、また検査時間がかかるという欠点があり、全身の検査をMRI検査で行うことはできません。
なお、画像もしくはタイトルをクリックすると、説明つきの拡大画像を見ることができます。
■ X線
・ CT
・ 一般レントゲン
・ 造影検査(バリウム検査、血管撮影)
■ ガンマ線
・ アイソトープ
■ 磁力
・ MRI検査装置
■ 超音波
■ アイソトープ装置
■ PET装置
● CT 肺

● CT 縦隔

● CT 肝臓・膵臓

● MRI 頭を横から見た図

● MRI 頭を下から見た図
● MRI 女性骨盤を横から見た図
● MRI 脊椎を横から見た図
● 超音波(エコー)
● 一般レントゲン
● マンモグラフィー

● アイソトープ検査(SPECT, ガンマカメラ)
● PET検査(PET-CT)
白い部分が骨、灰色の部分が軟部組織(これはCTの画像です)、黄色から赤色に光っている部分が異常(Lymphoma)です。PETだけでは、この光っている部分しかわかりませんので、このようにCTと重ねて見ることが必須となっています。


画像検査には、造影剤を使った検査と使わない検査があります。単に放射線や超音波の透過で診断する検査と、血液や口などから造影剤を入れて透過性を見る検査とに分かれます。超音波検査も以前は、造影剤を使わない検査でしたが、最近は、超音波専用の造影剤を使うことがあります。また、アイソトープ検査は造影剤の使用が基本となっています。 ここで、話を血管から入れる造影剤に限りたいと思います。なぜなら、副作用が問題になるのは、ほとんどが血管から体内に入れる造影剤なのです。非常にまれ(1万人に2〜3人)ですが、ショックを起こすことがあります。場合によっては、命を失うこともあります。そんな危険な検査がどうして必要なのでしょうか。
少し、むずかしいかもしれませんが、造影の理由を列挙します。
1.血管を造影することにより、画像上で、血管と血管以外を分別することができる。CT検査でも、MRI検査でも、造影剤を入れると、血管が真っ白に写ります。また、血流の多い組織ほど、濃い白色になります。(医学的には正しい表現ではありません)
2.腫瘍(できもの)と正常の組織にコントラストをつけることができる。ほとんどの腫瘍では、造影しない場合、黒っぽい色です。出血したり、石灰化していると白っぽく写ります。造影しない場合、輪郭がわかりにくいことが大部分です。造影することにより、たいていの場合、腫瘍は白さが濃くなるので、正常部分と分別ができます。時には、正常の組織のほうが白っぽく写り、腫瘍が黒っぽくなることがありますが、それでも、輪郭がわかりやすくなるという意義があるのは同じです。
3.組織の栄養がどのようにされているのか、シミュレート(推定)することができる。腫瘍がある場合、その腫瘍を栄養している血管が見えることがあります。また、その血管から、どのように血液(栄養)をもらっているのか、判断できることがあります。
4.造影による効果の変化を見ることで、治療効果を知ることができる。治療前に、血流が多かった腫瘍が、白さが低下してくれば、血流(栄養)が減っていると解釈できます。放射線治療などの、後の変化として、血流の低下が認められることが普通です。
単なる解剖的な診断であっても、造影検査が必要なことをご理解ください。また、組織の機能も知ることができるのが、造影検査なのです。 場合によっては、ダイナミックスタディといって、同じ場所を何回も撮影することで、造影のされかたの時間的変化を見ることもあります。これにより、血液の流れ方、組織の栄養のされ方がわかるのです。したがって、スクリーニング検査(たとえば、頭痛があって、何か頭に異常がないかどうか調べる、あるいは咳が続いて肺炎があるかどうか調べる。)以外では、造影検査が基本となります。造影しないで画像診断ができるのは、肺炎、関節や骨の炎症や変性疾患ぐらいではないかと思います。スクリーニング検査で、なんらかの異常が疑われれば、次は造影検査をすることになるのが一般的です。
造影剤は、腎臓でこされて体の外にでていくので、腎臓の機能が悪い場合には、注意が必要です。また、過去に造影剤で、異常(発疹、ジンマシン、喘鳴など)が生じた場合も、原則的には造影検査はできません。なぜなら、造影による異常は、回数を重ねることで、だんだん強くなっていく可能性があるからです。しかし、たとえば、CT検査の造影剤のように、”体が熱くなる”という副作用は、多くの人が経験する感覚で、心配はありませんので、過去に、少しでも何らかの異常が生じたならば、二度と造影検査ができないということでありません。また、どうしても造影検査が必要な場合には、あらかじめ、ステロイドホルモンなどを注射しておいてから、造影剤を入れることもあります。ただし、ステロイドホルモンは、絶対的に、副作用を予防できるわけではないので、どうしても造影が必要だ、という場合以外は、造影はあきらめざるをえません。御心配なことがあれば、担当医にご相談ください。
■ 一般X線
特に注意はありません。ただし、金属製品を身につけている場合は、はずしていただくことになります。
■ 消化管の造影検査
胃や食道の検査の時には、食事を抜かなくてはなりません。水分も駄目です。大腸のバリウムの検査の時には、食事を抜くだけでなく、腸の中をきれいにするために、前日から、特別な食事(食事が塊として残らない)をしていただくことになります。また、下剤を飲んでいただき、便が塊として残らないようにしなくてはなりません。便をポリープと誤判断するのを防ぐためです。
■ 超音波検査
胆嚢は食事をしてしまうと、収縮してしまいます。ですから、胆嚢検査を行う時は、食事を抜いていただくことが必要です。たいていの病院では、朝食を抜いていただくことが多いようです。また、食事により膵臓がやや見えにくくなるので、原則として上腹部の検査の時には、食事を抜いていただくことが良いようです。水分は可ですが、水分に関しては病院により方針が異なります。なお、水分というのは、水道水くらいだと思ってください。
子宮や前立腺、膀胱の検査の時には、尿を貯めていただかなければなりません。膀胱が縮んでしまうと検査が難しくなります。子宮の検査の時に尿をためていただく理由は、ふくらんだ膀胱を通して子宮を見たほうが明瞭に見えるからです。 乳房、甲状腺の超音波検査に関しては、特に注意はありません。
■ X線CT検査
一般X線と同じで、金属製品をはずしていただくことになります。造影剤を使う場合ですが、食事を抜くと、かえって気持ちが悪くなることがあるという研究もあり、方針は病院によって異なります。嘔吐した時のことを考えると、やはり食事は抜いておいたほうが良いのです。しかし、最近の造影剤は改良されており、嘔吐する患者さんは、以前と比較して、かなり減りました。
造影剤の副作用ですが、じんま疹、嘔気、嘔吐、熱感、喘息の誘発などが主なものです。ひどい場合には、ショックとなります。造影剤使用後1週間までは副作用が出る可能性があり、要注意です。なにか異常を感じたら、検査を受けた病院に連絡することが大事です。そして、対応方法を聞いてください。ひどい副作用は、造影後1時間以内に出ることが多いようです。上記したように、腎臓から体外へでていくので、水分を多めにとって体から出してしまうことをおすすめします。 また、以前に造影剤を使った検査を行ったことがあり、その時に異常が出た場合には、次にはさらにひどくなる可能性があるので、以前に異常が出たことを医師にきちんと言うことが大事です。
MRIとは造影剤の種類が異なります。X線検査で用いられる造影剤はヨード製剤です。MRI検査では、ガドリニウム製剤が用いられます。肝臓のMRI検査では、鉄分の製剤が用いられることがあります。
■ MRI検査
MRI検査は、強い磁石と電磁波を使った検査です。従って、金属製品は持ち込めません。不整脈などのために、心臓のペースメーカーが入っている場合には、検査ができません。ごく最近、アメリカでは、MRI検査でも問題の生じないタイプのペースメーカーが開発されているようですが、日本ではまだ一般的ではないと思います。脳の動脈瘤のクリップは、以前は、鉄分のために、磁石により動いてしまうので危険でできなかったのですが、最近はチタンなどのように磁石に反応しないタイプに変わってきており、問題のないものも出てきました。医師に相談することが必要です。
実際の現場で問題になる金属製品は、上記のほかに次のようなものがあります。
補聴器、金属ワイヤー入りブラジャー、財布、硬貨、入れ歯、銀行カード、ホットカイロ、酸素ボンベ、腕時計、骨折治療用の体内金属、磁気治療テープ、ピン留め、アイシャドー、金属のジッパー。
いずれも検査に影響したり、壊れたりするので、はずしていただくことになります。検査室内に持ち込むこともできません。体内金属は、はずすことができませんので、医師が問題ないかどうか、検討することになります。
MRI検査は、放射線を使うわけではなく、副作用はほとんどありません。騒音と長時間(20分〜50分)寝ていなくてはならないことがMRI検査の最大の問題です。騒音は、コイルの振動のために生じます。工事現場みたいな騒音です。最近は、静かな器械も開発されてきました。コイルを真空のケースに入れるという方法で騒音を減少させています。
造影剤は、喘息を誘発するケースがあったり、発疹がでるケースが知られていますが、X線CT検査の時の造影剤と比較して、かなり少ないです。造影剤はX線CT用の造影剤とは種類が全く異なりますが、注射薬ですので、ショックの可能性が絶対には否定できません。私も一例だけ経験があります。(実際に、経験したのは私の同僚ですが・・・)。
■ 内視鏡、血管撮影
内視鏡と血管撮影は、一種の手術にあたります。注意はそれぞれの病院と方法によって、かなり違うので、それに従ってください。
■ PET検査
PETは、代謝を測定する検査です。糖やタンパク質の代謝を測定します。糖やアミノ酸をつけた(ラベルする)アイソトープを注射して、それが細胞に取り込まれるのを外から測定するのです。従って、空腹にしていないといけません。食事をしてしまえば、細胞も満腹で、糖やアミノ酸を取り込んでくれません。
最近の話題のPET, PET-CT検査について書いておきたいと思います。
■ なぜ、PET検査が話題になっているのか。
1) 代謝を検査するので、原理的な、あいまいさが少ない。CTやMRIも造影剤を使うことで、多少は代謝もわかりますが、おおむね、大きいとか小さいとか、血流が多いとか少ないといったことまでしかわかりません。ダイナミックスタディを行えば、精度はあがりますが、手間がかかるので、全員にできる検査ではありません。
2) 陽電子が180度方向に分離するのを測定するので、解像度・精度が、普通のアイソトープ検査に比較して良好である。
3) 保険が効くようになった。ただし、保険の点数が低いため、導入したことにより赤字になってしまう可能性があり、病院としても購入を躊躇するような事態になっています。
4) 全身検査が容易である。
全身を精度よく検査できることは、以前からわかっていたのですが、保険が効かないため、実験機として購入せざるをえず、普及してこなかったのです。保険が効くようになったことで、一気に普及しはじめました。代謝を測定するので、陽性であることは検出できても、その陽性の位置がわかりにくいという欠点がありました。それをCTの画像と重ねることで、陽性の位置が精度よくわかるようになりました。これが、PET-CTと呼ばれる装置です。今後は、PETではなく、PET-CT検査が常識になっていくものと思われます。
■ 欠点
悪性腫瘍のすべてがこれでわかるわけではありません。欠点も、もちろんあります。
1) 腫瘍のサイズが5mm 以下のものは検出ができない。(2006年時点:将来はもっと、細かいものもわかるようになる可能性があります。)
2) 平らな腫瘍(粘膜を這っているような腫瘍)は検出が難しい。(これは、CT,MRIでも難しい)
3) 肺の腺癌のように塊を作らないタイプの癌はわかりにくい。
4) 時に、炎症が強く陽性になってしまうことがあり、がんと区別ができないことがある。
5) 上記の肺ガン以外にも、なぜか陽性になりにくい種類の癌(脊索腫など)がある。
6) 糖尿病の患者さんは、血糖が高いため、陽性になりにくい。
7) 腸管が陽性になってしまうことがあり、腹部の腫瘍は少々わかりにくいことがある。
8) 前立腺癌の検出が悪く、保険も適応になっておりません。
9) 画像が粗い。解像度は、おおむね2mmくらい。最新のCTが0.4mmの解像度、 MRIが0.1mm くらいの解像度を持っていますので、かなり粗い画像ということになります。
欠点を十分配慮して行えば、医療にとってはまさしく、新兵器と言えるものです。ガリウムシンチや骨シンチなどは、早急にすたれていくものと思われます。特にガリウムシンチの出番はもうないものと考えて良いと思います。値段がPETに匹敵するほど、高いのです。骨シンチとは、使い分けが行われていく可能性があります。
最近の話題のMRI 拡散強調検査について書いておきたいと思います。PET-CT検査と並んで、画像診断部門が力を入れている検査のひとつです。
■ 拡散強調画像とは何か
現在のMRI検査は、組織における水素の原子の多さと振る舞いを観察しています。このうちT2強調画像法というMRI検査法では、水分子を主に敏感に検出します。拡散強調画像では、ある一定の時間、水に含まれる水素原子を励起し、励起が解けた後の画像と比較します。水はブラウン運動をしていますので、ブラウン運動が活発な組織ほど、時間が経過するとずれができます。このずれを検出する方法が拡散強調画像です。悪性腫瘍やどろどろの組織では強く陽性になります。さらさらの組織や単なる浮腫は陰性です。Diffusion weighted imageと称します。これに脂肪抑制法を加えたものが、DWIBS法です。
■ PETとの違いは何か
1) PETと比較して、値段がはるかに安い。設備は普通のMRI装置があればできるので、特に付加しなくてはならない、設備はありません。ただし、コイルなどは高性能である必要があります。
2) MRI拡散強調画像検査は、全身検査が難しい(近い将来、改善される可能性があります)
3) 血流が少なくても、異常があれば陽性に出る。(PETは血流が少ないと陽性率が下がります)
4) なんで陽性になっているのか理解できない時がある。PETには、そういうあいまいさがありません。
5) PETよりも解像度が良好である。
6) 放射線の被曝がない。
■ 拡散強調画像に期待されているもの
1) 腫瘍の悪性度の判定
2) 腫瘍の進展範囲
3) 転移
4) リンパ節転移の有無
5) 治療効果の判定
6) 再発の早期発見
MRI検査の結果とCT検査の絵を見ていると似ているところがあります。MRIで横断面を撮像した場合、CTと良く似た絵となります。どこが違っていて、どうして両方とも検査しなくてはならないのでしょうか。 X線CTは、X線を体の回りにぐるっと当てて、格子の目のように2次元画像を作る方法です。MRIは、磁気を利用して、体内の水素原子の量と、水素原子の存在の仕方を検査する方法です。MRI検査は、精度が非常に良好で、どんな断面像でも得ることができるのですが、検査できる範囲が短い、検査に時間がかかる、骨の変化がわかりにくい、動きのある部分(のど、心臓や肺)が苦手という特徴があります。
下記に、原理や見え方の比較をしたものを書いておきます。ただし、デジタル画像の特徴として、フィルムの濃度は、人間が決定して印刷しているという事情があります。従って、色が白だったり、黒だったりというのは相対的なものと考えてください。たとえば、肺のX線CTでは、肺の構造を細かく見るために、全体の濃度をあげるので、脂肪組織が白く見えます。
最近の検査の考え方は、MRIは顕微鏡、X線CTは肉眼像に該当するというものです。細かいところは、MRIのほうが強いです。また、放射線被曝がないため、繰り返す検査でも有利です。X線CTは広範囲の診断をしたい時、骨の異常を観察したいときに限定されるようになってきています。ただし、X線CTも非常に進歩しており、高速な検査、血管の描出などにおいては、MRIはかないません。