高次脳機能障害5級で 自宅付添費1日5,000円を獲得した事例
一般的に、入通院時の付添費用については比較的簡単に認められる傾向にありますが、その後の自宅での付添費については、必要性の判断がより厳格にチェックされます。通常、介護不要とされている高次脳機能障害5級では自宅での介護費用は認められない事が多いのです。しかし、5級の本件では、
- 被害者特有の後遺症の現れ方
- 介護者の時間的拘束力の多さ
- 自殺願望がある被害者の命を守る役割の重要性
高次脳機能障害「5級」と言っても、その症状の現れ方は人それぞれです。5級だから看視費用は無理だとあきらめず、介護者の陳述書などをもとにして、自宅介護が必要であることを根気強く裁判所へ訴えた結果、自宅付添費用を獲得できたのです。
被害者データ
- 17歳・男子
- 併合4級[高次脳機能障害5級、その他12級]
後遺障害症状
- 事故後高度の意識障害(JCSV-200の状態)が2週間継続。右前頭葉・側頭葉に脳挫傷あり。
- 記銘力障害、知能低下(IQ58)、遂行機能低下、病識低下、情緒障害、ふざけやすい、新しいことを覚えるのに時間がかかる、欲求の抑制欠如、金銭管理不能、自殺願望あり。
事故態様
- 原動機付自転車(被害者)対普通乗用自動車(加害者)
- 加害者には、右折禁止交差点を右折したという著しい過失あり。
損害賠償額
| ・ | 入通院付添費 | 約70万円 |
| ・ | 自宅付添費 | 約200万円 |
| ・ | 逸失利益 | 約8400万円 |
| ・ | 入通院慰謝料 | 約200万円 |
| ・ | 後遺症慰謝料 | 約1700万円 |
| ・ | その他 | 約1000万円 |
| ・ | 小計 | 約1億1570万円 |
| ・ | 過失相殺(なし) | −0円 |
| ・ | 加害者負担弁護士報酬・遅延損害金・確定損害金 | 約1119万円 |
ポイント
- 被害者の見守・看視の必要性を立証し、随時介護費用1日5,000円(453日分)が認められた。
- 症状固定時では被害者は既に21歳であったが、事故時には未だ17歳であり進路未定であったとして、年少者の計算方法と同様の学歴計全年齢平均年収にて18歳からの逸失利益が認められた
- 自賠責等級認定では、併合4級とされ、労働能力喪失率92%との認定であったが、被害者が、障害者枠にて採用された清掃業や倉庫係としての仕事に毎日通っていることを理由に、労働能力喪失率を85.5%という割合で計算することとなりました。
- 過失割合について、右折禁止場所の右折という著しい過失に加え、加害者の著しい前方不注視を主張した結果、被害者0%:加害者100%と認定された。
弁護士報酬
- 1,213万円(依頼者取得総額の約10.4%)